• 検索結果がありません。

岡本裕巳(教授) 分子研リポート2003 | 分子科学研究所

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "岡本裕巳(教授) 分子研リポート2003 | 分子科学研究所"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

研究系及び研究施設の現状 101

3-3 分子構造研究系

分子構造学第一研究部門

岡 本 裕 巳(教授)

A -1)専門領域:分子分光学

A -2)研究課題:

a) 近接場光学的手法による超高時間空間分解分光システムの構築 b)メソスコピックな構造を持つ分子集合体の構造とダイナミクスの観測

A -3)研究活動の概略と主な成果

a) 分子・分子集団におけるナノメートルオーダーの空間的挙動と(超)高速ダイナミクスを探るための,近接場時間分 解分光装置の製作と試料の測定を行っている。近接場光学顕微鏡はファイバプローブ方式による市販装置のパーツ を改造したものと,閉回路制御方式のピエゾステージを用い,高い位置再現性・安定性を備えた自作装置を用いてい る。これらにフェムト秒T i:Sapphireレーザー等,ダイナミクス計測に必要な装置群を組み合わせて測定を行う。現時 点で光学像の横方向空間分解能は50nm程度,時間分解能は100 fs以上を同時に実現することができている。時間分 解測定は,蛍光検出2光子吸収,または直接吸収測定による時間分解吸収相関法で行っている。

b)上述の装置を用いて,試料の測定と解析を行っている。いくつかのポルフィリン化合物のJ -会合体については,幅数 十nm程度,長さ最大数µmの微結晶状の構造と,遷移モーメントがその長軸方向に偏っていること,試料の吸収バン ドが位置依存性を持っており不均一に広がっていることが見い出された。また時間分解吸収相関法の測定の結果, 10 ピコ秒オーダーの励起寿命が得られ,測定位置によって寿命が異なる(寿命が不均一)ことが分かった。 c) 金属微粒子(球状,棒状)の分光及びダイナミクスの測定を,単一微粒子,また単一微粒子内で更に空間を分解して

行っている。その結果,従来報告されていた単一微粒子の近接場スペクトルの測定と解釈には不十分であることが 分かった。また時間分解測定の結果から,単一微粒子の超高速緩和過程を明確に測定することに成功し,さらに単一 微粒子内でも緩和過程に若干の位置依存性のあることを示唆する結果を得ている。

B -1) 学術論文

T. NAGAHARA, K. IMURA and H. OKAMOTO, “Spectral Inhomogeneities and Spatially Resolved Dynamics in Porphyrin J-Aggregate Studied in the Near-Field,” Chem. Phys. Lett. 381, 368–375 (2003).

B -6) 受賞、表彰

岡本裕巳 , 光科学技術研究振興財団研究者表彰 (1994). 岡本裕巳 , 分子科学研究奨励森野基金 (1999).

(2)

102 研究系及び研究施設の現状 B -7) 学会および社会的活動

学協会役員、委員

日本化学会 トピックス小委員会委員 (1993-1996). 日本分光学会 編集委員 (1993-2001).

日本分光学会 東海支部幹事 (2001- ). 日本化学会 東海支部常任幹事 (2003- ). 学会の組織委員

The International Symposium on New Developments in Ultrafast Time-Resolved Vibrational Spectroscopy (Tokyo), Organizing Committee (1995).

The Tenth International Conference on Time-Resolved Vibrational Spectroscopy (Okazaki), Local Executive Committee (2001).

B -8) 他大学での講義、客員

お茶の水女子大学大学院理学系研究科 , 「構造化学」, 1996 年 12 月 . 立教大学大学院理学系研究科 , 「構造化学特論1」, 1997年 4月−9 月 .

お茶の水女子大学大学院理学系研究科 , 「分子集合体物性論」, 1999年 6月−7月 . 立教大学大学院理学系研究科 , 「構造化学特論1」, 1999年 4月−9 月 .

東京大学教養学部 , 「物性化学」, 2000年 4月−9 月 .

立教大学大学院理学系研究科 , 「構造化学特論1」, 2001年 4月−9 月 . 立教大学大学院理学系研究科 , 「構造化学特論1」, 2003年 4月−9 月 .

C ) 研究活動の課題と展望

現在,近接場光学の手法を用いて時間と空間の双方を分解した分子分光法の開発と,メソスコピックな分子系の動的挙動 の研究を平行して進めている。近接場分光の技術的基礎の習得と基本装置は一通りできており,実際の分子系で興味深い 実験結果が得られてきている。ある種の微粒子において,数百nm以上にわたる空間的なコヒーレンスの存在を示す結果や, 空間的なエネルギーの移動を示唆する結果等も得られつつある。また微粒子の基本的な微視的な光学物性の理解も進ん だ。これらを今後発展させ,ナノメートルオーダーの構造の制御された分子集合体におけるエネルギー・物質移動を直接的 にとらえる試みに展開したい。レーザー波長など,装置の都合で対象が制限されてしまう面があるため,その制限を緩和す るための装置開発,感度を高めるための改善等の努力も続けていく。またこの他に,ファーフィールドの新たな利用法も視野 に入れて行きたい。液相の分子科学に顕微の考えを持ち込むことも計画している。

参照

関連したドキュメント

のピークは水分子の二つの水素に帰属できる.温度が上が ると水分子の 180° フリップに伴う水素のサイト間の交換

このように,先行研究において日・中両母語話

Trichoderma reesei cellobiohydrolase I (TrCel7A) molecules were observed to slide unidirectionally along the crystalline cellulose surface, and the catalytic domain without

第四章では、APNP による OATP2B1 発現抑制における、高分子の関与を示す事を目 的とした。APNP による OATP2B1 発現抑制は OATP2B1 遺伝子の 3’UTR

東北大学大学院医学系研究科の運動学分野門間陽樹講師、早稲田大学の川上

目標を、子どもと教師のオリエンテーションでいくつかの文節に分け」、学習課題としている。例

子どもの学習従事時間を Fig.1 に示した。BL 期には学習への注意喚起が 2 回あり,強 化子があっても学習従事時間が 30

どんな分野の学習もつまずく時期がある。うちの